「伝わるように話す」とは、単に言葉を並べることではない。それを、いつも思い出させてくれるのが、学校で生徒さんを前に話をすることです。
学校での講演は、まさにその難しさと面白さを痛感する場。生徒たちは、目の前に立つ講師が誰であろうと、話を聞く義務はありません。彼らは無数の選択肢の中から、自分の興味や関心に合うものを選び取ることができます。そこは、聞かない自由がある場所なのです。だからこそ講師は、一瞬で彼らの心を掴み、最後まで聞いてもらえるような話し方を心がけなければなりません。
今回の世田谷区の高校での学校講演は、3部制のうち、1部と2部(約70名)を担当させていただきました。「伝わるように話す」ために、彼らがどんなことに興味を持ち、どんな言葉に心を動かされるのか。年齢、経験、価値観、そしてその日の気分まで考慮し、言葉を選び、語り口を調整する必要があります。
企業研修との違い
企業研修では、お給料をもらっているから研修を聞く義務を負った従業員の方たちが、きちんと席に座っていることが大前提です。しかし、学校で最後まで話しきることは、それよりもずっと難しいと感じる場面に数多く遭遇してきました。
今回の生徒さんたちは、騒がず席に座っていて落ち着いた様子でしたが、つまらなければ、聞かない。聞かないだけではなく、騒ぐ。大きな声を出す。なんてことも珍しくありません。
そのたびに、私の心の腹筋、つまり「胆力」が鍛えられ、工夫することで聞いてもらえるようになる。第一声をどうするのか?どんな話をするのか?軽い疎外感というか、完全に蚊帳の外にいる自分が、伝えられることを、伝わるように話すことに、全神経を集中するのです。
ほんの一瞬でも、聞いている生徒さんとの間に信頼関係ができることがあります。難しくない言葉で語り掛けることで、講師の言葉に少しずつ耳を傾けてくれるようになります。
「伝わるように話す」ことは、簡単なことではありません。どんな学校公演も無駄にはなりません。最初の頃は、「あ~失敗しちゃったかも」なんてことがたくさんありました。
講演後の嬉しいこと
講演後、生徒たちのアンケートを読むと、彼らが予想以上に真剣に話を聞き、大人の行動を観察していることに気づかされます。彼らは、言葉だけでなく、講師の熱意や誠意を受け取っています。
だからこそ私は、「伝わるように話す」ことを追求し続けたいのです。それは、未来を担う若者たちに、一生懸命に伝えようと話している様子を見てもらうためでもありますが、何より自分にも還元される「胆力」を身に着ける特訓の場にもなっているからです。

伝わる話し方の修業は続く・・・
約7年ほど続けてきた小学校から高校まで、義務教育に関わる現場での講演やキャリア面談を通じて、得るものは本当に大きいです。今日も子供たちの笑顔と、感想をもち帰らせていただきました。いつも本当にありがとうございます。
まだまだ、「伝わる話し方」の修業は続いています。












この記事へのコメントはありません。